ソフトテニスのガットのはなし

G-TOUR Sは業界に新たな波を起こせるか【ソフトテニス×ポリ】

G-TOUR Sがソフトテニスにもたらす影響とは!?

昨年、GOSENがソフトテニス日本代表のオフィシャルストリンガーになってから、選手の間ではある黄色のガットが話題となりました。

後にG-TOUR Sとして発表される、GOSENの硬式ストリング、G-TOUR 3でした。
※G-TOUR 3は1.18mm/1.23mm/1.28mmと3ゲージが展開されていますが、G-TOUR Sは1.23mmゲージです。

硬式テニスのストリングは一部ではソフトテニス競技者にも使用されているようですが、基本的にはほとんど使用されていませんでした。(また、色々な理由により、公認メーカーであってもソフトテニス用として発売されていることが好ましいようです。)

G-TOUR Sはいわゆるポリガットです。

ソフトテニスでは大半を占めるナイロン系のガットに比べ、打球感が硬く、打ち応えがしっかりとあるのが特徴です。(そもそも硬式テニス用として発売した経緯より、今までソフトテニス用として発売していたポリガットよりも打球感は硬いように思います。)

プレーヤーの力量が不十分ではガットの性能を十分に出す事が難しく、必然的に力のある中級〜上級プレーヤーにフィットするであろうガットとなります。

じゃあ、それだけでは「新たな波」は起こせません、、、よね?(と思っています。)

 

ポリガットには、もうひとつ大きな魅力があります。

それがハイブリッドです。

縦糸、もしくは横糸にポリエステル(他方はナイロン)を張る事で、性能を変化させることが出来るのです。(ナイロン×ナイロンのハイブリッドも一部にはありますが、ほとんどはポリ×ナイロンが主流です。そして、当店もナイロン×ナイロンで色々と試した事がありますが、しっくりくるものがなかなかありませんでした。)

例えばのイメージはこんな感じに。

縦糸にポリガットを持ってきた場合:感覚的には、ポリのそれを中心に感じることが多く、横糸のナイロンで打球感を少しマイルドに。

横糸にポリガットを持ってきた場合:ナイロン単体から比べ、打球感が硬く感じることが多く、打ち応えが増す。感覚的には、ナイロンのそれを残しつつ、打球感を硬くするイメージ。

お気に入りのガットがあって、打球感は好きなんだけどもう少しこんな感じに、という細かいニーズ(かゆいところに手が届く的な。)に対応する方法としては、ガットの張り上げテンションを変えたり、張り方を変えたり、ということが一般的。

その一般的な対応策でも満足に出来なかった、という時に、ハイブリッド。

 

それはもちろんG-TOUR Sに限ったことではないのですが、今までは剛戦X5S、X7V、デュオドライブ、と完成品でのみハイブリッドが認知されてきました。

実はポリアーメット(剛戦X5S、X7Vのメインストリングのポリ)はそれ単体で発売はされているのですが、なぜかほとんど認知されておらず、話題にすらなっていません。

オフィシャルで黄色のガットが話題になって、それがSNSで大きな波となって、現場から生まれた製品。

縦も横も黄色ではなかったからこれだけ話題になったのではないかと思っています。

 

G-TOUR S自体は人気が大爆発するガットでは無いと思っています。

ただ、G-TOUR Sがあることによってハイブリッドの認知度は間違いなくあがるでしょうし、そうなると、ガットの重要性に気付く方が一気に増えるかもしれません。

現場から生まれた小さな波が、大きな波となってソフトテニスが変わるのか。

違った視点になってしまうのかも知れませんが、ひっそりと期待しています。

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