実はよくある！？ローテンションでの張り上げを使用する場面は？
冬になると考える、夏とは違ったテンションでの張替え。
通常は、よくある適正テンション表示であります「25-35lbs」の中で張替え依頼をされることと思います。
（この適正テンション表記も長らく変わっていないので、本当は違う範囲なのだろうとは思うのですが、あながち外れてもいない数値なので、ひとまずこの記事では基準として使わせていただこうと思います。）
当店で依頼が多いテンションは、というと、27～33lbsくらい。
テンションって何が正解ってのはないので、一人ひとり、自身の感覚ベースで”自分にとっての適正テンション”を探していかなければいけません。
少しだけここ最近の傾向を書いておくと、
ここ最近は特にフレーム剛性が上がっており、ひと昔のように35lbsを超えて張ると、本当に板みたくなってしまい、
ボールを飛ばせない/反発が早すぎてコントロールができない
なんていう場面が増えてきたように思います。
もちろんすべてのフレームがそうなのではなくって、あくまでも大雑把な傾向について。
（冬にボールが飛びにくくなったら、テンションを少し下げてみてください。ちょっと楽になると思いますよ。）
ここまで書いて、いよいよタイトルにある、25lbsを下回るテンションをどのような場面において使用する（もしくはおすすめする）か、ということについて。
そもそもは、ご自身のレベルに応じた用具を使用できているのであれば、適正テンション内で張りの依頼を出してもらえたらと思います。
ここではいくつかのシーンを考えてみます。
例えばFレーザー9シリーズのように、85平方インチという小さな面の中に、16×19という、とても細かなストリングパターンで設計されたようなラケットに張り上げる場合。
ここでいつもと同じように張りのテンションを指定してしまうと、それはそれはもう板のようになってしまいます。
もともと30lbsを超えて依頼しているのであれば、25lbsを下回ることはさすがにないかと思いますが、普段27～28lbsの指定であるのであれば、3～4lbs下げて、23lbsとか24lbsを試してみていただいたりしています。（他のフレームと同じようなテンション指定で張ってもらって、それで気持ちよくプレーできる方はここは流してくださいね。）
どのくらい85平方インチに16×19が細かいか、というと、普通は
・ 90平方インチに16×16ないしは16×17
・ 85平方インチに16×16
というパターンが多いです。
面内にたくさんのガットが通ると、それだけ縦糸横糸で作られるマス目が小さくなり、結果、線接触→面接触に近くなります。つまり、面圧がぐっと上がります。（単純に硬く仕上がる、と捉えていただいても良いかと思います。）
この、面圧が高くなるフレームに対してローテンション指定は、実は当店においては意外と依頼が多いパターンの一つです。（※あくまでも”意外”と。もちろん本流ではありません。）
その際、もともと弾きのよいミクロパワーなんかでやってみていただくと、意外と面白いことになります。（以前、ネクシーガ90Vにミクロパワーを25lbsで張り上げて試打をしたことがありますが、球持ち感と弾き感が何とも言えず、いい感じでした。フレームが硬く、しならせることができない場合に、面内のたわみを何とかして作ってみよう、という試みでした。）
逆に球持ちの良い太めのガットでやってしまうと、ボールが飛ばないかもしれません。
もともとハイエンドモデルとしてあるFレーザー9は、それ相応のスイングスピードがなければ使用することは難しいモデルかと思いますが、例えばローテンションで張ってみると、意外といけてしまう場合もありますよ、という例でした。
他にも、かなり背伸びをして難しい（硬い）フレームを使うんだ！と、どうしても
「おすすめじゃないよ・・・？」
の声を聞いていただけそうにない（始めたて方に多い…）とき。
場合によってはローテンションでの張り上げをさせていただく場合がございます。
（上のネクシーガ90V×ミクロパワーの話がそれですね。）
そもそものローテンション指定は、ぐーっという球持ちが欲しい！もっとボールを押していきたい、というニーズにぴたっと合うものかと思います。
ちゃんとわかったうえで
球持ちがよいガットを23とか24で張って！
と依頼をいただくこともございます。
これはご自身のテンションをしっかりと分かっておられる場合ですね。
適正テンションというある種の固定観念を一度忘れてみて柔軟に考えてみていただくと新しい世界が広がるかもしれません。
そんな話でした。
ではでは。
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