ソフトテニスのガットのはなし

じゃあマルチドライブはどんなの?改めて解説。

1.25mmマルチはいつしかスタンダードに。

爽快な飛びが癖になる!?ミズノモノスピードは球持ち系弾きガットの中で一定のシェアを獲得しました。そりゃあどんなガットにも欠点はありますが、いいガットだと思いますよ。 モノファイバースピードをウェブショップでチェック! ガット...

上記、モノスピードの記事。こちらも併せてご一読ください。

あくまでも当店としての意見として、私見も多く含まれていますことを予めご理解ください。

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さて、マルチドライブ。正式名称はマルチファイバードライブ。

ゲージは1.25mmで、表面形状は八角形をしています。モノスピードの記事で取り上げたウレタン系のコーティングです。ちなみに、同じ多角形でいうと、ヨネックスのスラッシュもウレタンで五角形を作っています。

1.25mmのマルチフィラメント(芯となる太い糸がないタイプ。テックガット5300もスーパーホールドマルチもマルチフィラメントタイプです。)で、ここ最近はスタンダードなゲージとして定着してきました。

ゲージだけ考えて競合するのは、ゴーセン テックパワー、ヨネックス ブラストでしょう。
3種類を試すと、それぞれ違いがあることがはっきりとわかるかと思います。

今回はひとまずマルチドライブについて。
八角形断面をしているため、表面での引っ掛かりがよく、芯がないタイプのため、モノスピードから比べると柔らかさが上がります。
また、表面形状でもって球持ち性能を上げているため、ストローク時においてのドライブ回転は自然とかかりやすく、例えばカットサーブ時など、しっかりと回転をかけたい際にも一役買ってくれることと思います。
力がそこまでなくとも飛距離は出しやすく、中学生から広く使われるガットになります。
逆にガンガン振っていきたい高校生なんかはミズノで考えるとモノスピードになっていくのでしょう。

…と、こんな感じでしょうか。

打球感を柔らかくしたいのであれば、どちらかというとゲージは太くしていただく方が打感のシャープさが取れるので、1.30mm以上のガットをご選択いただければと思います。
あくまでも…芯のあるタイプである「モノフィラメント」と比べると、マルチフィラメントタイプは打感がマイルドになります。

あとは少し欠点について。

角がたっているので、たまに変な引っ掛かり方をしてコントロールを失うことがあります。
面が狂ったときのリカバリーが難しい場面があるかもしれません。

回転がかかりやすい、かけやすい=回転にかかられやすい
と言い換えることができるかと思います。

引っ掛かり方は、もしかするとちょっと独特かもしれませんので、気になる方は是非一度お試しを。

 

あ、表面構造関係でちょっと横道にそれますが書いておきたいことがあるので書きますね。お付き合いください。

例えばゴーセンを考えてみると、意外なことに多角形断面のガットを出してないんですよね。断面形状が特徴的なものを考えてみるとMSフォースドライブ。ただ、MSフォースドライブは自然に回転をかけたいというコンセプトがあるので、側糸の一部を太くすることで、スパイラル状に凹凸を出しています。今回取り上げたマルチドライブほど引っかかるわけではないんですね。

では表面でボールをびたっとくっつけたい時にはどうするのか?というと、ミクロパワーやホールドマルチのようなグリップコーティングが一つの回答。表面で持たせるような、乗せるようなイメージです。引っ掛けるタイプのガットは少ない気がします。

ではヨネックスは?となると、モノフィラメント形状のスラッシュ、ポリアクションはそれぞれ五角形断面ですが、マルチフィラメントにおいては出してないんですよね。スラッシュは引っ掛かりよりも硬さが印象的かもしれません。パワー系の引っかかりがいいドライブ系ガット、というイメージです。

ポリアクションは他に競合するようなガットがなかなかないので、ポリアクション単体として捉えてください。

クロスとかクロスアイはどうなの?撚(ひね)ってるけど?となるんですが、緩みを取るための措置としての特殊加工とのことです。両者はどういう特徴か?というと、全体的に柔らかく、コントロールがしやすい構造をしています。表面の引っ掛かりではなく、全体的にぐっと持たせるイメージですね。

メーカーによって、表面形状とか表面コーティングの種類はたくさんあります。それぞれ細かくみていくと面白いですね。どの感じが一番好きなのか、プレーにハマるのか、に関しては試していただくしかありませんが、パッケージにあるガット構造のイラストはある程度正しいと思っていただいて、構造からガットの種類を選んでいくのも面白いと思います。

余談が長くなりました。

いろいろな構造のガットがあって、それぞれにあったユーザーの方がいらっしゃるわけです。もしかするとそれが表面の形によるものかも?ということで書いてみました。

もうひとつ欠点があるとすると、モノスピード同様、テンションキープ率は極端に高くありません。マルチフィラメントはモノフィラメントに比べると緩みが出ることが早いですので、普段からマルチフィラメントを愛用されている方からすると、気にならない部分になってくると思います。

そんなところでしょうか。

今主流になってきつつある1.25mmの細めのマルチフィラメントにおいて…ではどこで特徴を出していくのか?
ミズノの一つの答えとして、それが表面形状だったわけです。

ファンを獲得した部分としては柔らかさと飛び、あとは回転性能。

なかなか他にはないタイプのガットとなります。

是非一度お試しを。

ではでは。

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